Cloudflareだけで独自ドメインメールをGmailから送受信できるようになってた
TL;DR
- メールの受信は Cloudflare Email Routing
- メールの送信は Cloudflare Email Sending
- メールの閲覧・作成には普段使っているGmailを利用
CloudflareがSMTPをしゃべれるようになったので、Gmailのエイリアスに追加できるぞ!
独自ドメインのメールアドレスにお金かけたくない問題
個人開発をやっているとポコポコ独自ドメインが増えていきますが、メールの送受信は頭が痛い問題です(費用面で)。Google Workspaceを契約するのが一番理想なのですが、ドメインごとに毎月800円も払っていられません。
そのため、この界隈では「なるべく安く独自ドメインのメールを送受信する方法」が定番ネタになっていて、私はPurelymailを使っていました。年間$10で送受信できてありがたかったのですが、それでも「メールのためだけに別のサービスを契約している」状態ではあり、設定の手間も地味にストレスでした。
Cloudflareだけで完結できれば幸せなのにと思い続けていましたが、6月にその願いが叶っていました。
これまで何が足りなかったのか
Cloudflareには以前からEmail Routingという無料機能があります。独自ドメイン宛のメールをGmailなどに転送してくれるもので、受信についてはこれで解決していました。DNSをCloudflareに置いているなら設定も数クリックです。
問題は送信でした。
私の要件は、次のようなものです。
普段使っているGmailから、独自ドメインのアドレスとしてメールを送受信したい。
Gmailには「他のメールアドレスからメールを送信」という機能があります。外部のSMTPサーバーを指定すれば、別のメールアドレスを差出人としてメールを送れます。つまり、送信用のSMTPサーバーさえあればよいわけです。ところが、これまでCloudflareにはそのSMTPサーバーがありませんでした。Email Routingは受信専用で、メールを送る側の口がなかったのです。
Gmail自身のSMTPを使う方法もあった
過去の記事を検索すると、Gmail自身のSMTPサーバーであるsmtp.gmail.comを設定している例がよく見つかります。Gmailのアプリパスワードを発行し、GmailのSMTP経由で独自ドメインのアドレスとして送る構成です。この方法でも一応送信できますが、大きな欠点があります。受信者側で、送信に使った元のGmailアドレスが見える場合があるのです。メーラーによっては、次のような代理送信の表示になることがあります。
example@gmail.com が info@example.com の代理で送信
せっかく独自ドメインで送っているのに、裏側のGmailアドレスが透けて見えるのは避けたいところです。
Email Sending が SMTP に対応した
状況が変わったのは2026年。CloudflareがEmail Service(送信側はEmail Sending)を公開し、6月8日からはSMTPでの送信にも対応しました(まだベータ版です)。
Email Sending自体は当初、WorkersのバインディングかREST APIからしか使えず、「アプリからトランザクションメールを送るための機能」という色が強いものでした。それはそれで便利なのですが、Gmailから使うにはSMTPが必要です。SMTP対応によって、ようやくGmailの「他のメールアドレスからメールを送信」に直接設定できるようになりました。
つまり現在はこうなります。
- 受信: Email Routingで独自ドメイン宛メールをGmailに転送(従来どおり)
- 送信: Email SendingのSMTPエンドポイントをGmailに設定して、独自ドメインのアドレスとして送信
- 保存・閲覧: 普段使っているGmail
Email Sendingのオンボーディング時には、SPF・DKIM・DMARCなどの必要なDNSレコードもCloudflareが設定してくれます。
また、Gmail自身のSMTPではなくCloudflareのSMTPから送信するため、Gmail SMTP方式で発生することがある「元のGmailアドレスによる代理送信」の問題も避けられます。
※ 念のため設定後には、別のメールアドレスへテスト送信し、「メッセージのソースを表示」などからSPF・DKIM・DMARCの結果とヘッダーを確認しておくことをおすすめします。
設定もかなり簡単です。
設定方法
前提として、ドメインの DNS を Cloudflare で管理していることとします。
1. Email Routing で受信を設定する

- Cloudflareダッシュボードで対象ドメインを開く
- Email Routingへ進む
- Onboard Domainから、必要なDNSレコードを登録する
- 転送先として普段使っているGmailアドレスを登録する
- 独自ドメインのアドレスからGmailへのルーティングルールを作成する
これで独自ドメイン宛のメールが Gmail に届くようになります。
2. Email Sending にドメインをオンボードする
- CloudflareダッシュボードのCompute > Email Service > Email Sendingを開く
- Onboard Domainを選択する
- 対象ドメインを選択する
- 指示されたDNSレコードを追加する
なお、Email Sending の利用には Workers Paid プラン(月 $5〜)への加入が必要です。ここだけは無料では済みません。この点は後述します。
3. API トークンを発行する

Email Sending の SMTP は、パスワード欄に API トークンを入れる方式です。
ダッシュボードから API トークンの作成画面を開いてもいいですが、Smail Sending の Connect 画面からそのまま発行できます。
- Email Sending の Connect ボタンを押下し、SMTPのタブを開く。
- 「Create Email Sending token」ボタンを押下
- Email Sending: Edit 権限を持つトークンを作成する(アカウント所有トークンが推奨)
- 発行されたトークンを控えておく
4. Gmail に送信設定を追加する
- Gmail の 設定 > アカウントとインポート > 他のメールアドレスを追加 を開く
- 名前と独自ドメインのアドレスを入力する(「エイリアスとして扱う」は好みで)
- SMTP サーバーの設定を以下のように入力する
| 項目 | 値 |
|---|---|
| SMTP サーバー | smtp.mx.cloudflare.net |
| ポート |
465(SSL/TLS) |
| ユーザー名 |
api_token(この文字列そのまま) |
| パスワード | 手順 3 で発行した API トークン |
保存すると、追加したアドレス宛にGmailから確認コードが送られてきます。ここで手順1のEmail Routingが生きてきて、そのメールは自分のGmailに転送されてくるので、リンクをクリックして完了です。
これでGmailの作成画面のFrom欄に独自ドメインのアドレスが選べるようになり、独自ドメイン宛に来たメールへの返信時も自動的にそのアドレスが差出人になります。
料金について
無料では済まない点がひとつだけあって、前述のとおり Email Sending は Workers Paid プラン(月 $5)が必要です。
送信料金自体は 1,000 通あたり $0.35 で、月 3,000 通までは Workers Paid に含まれています。個人がメーラーとして使う分には月 3,000 通を超えることはまずないので、実質的には Workers Paid の $5/月だけで運用できると考えていいでしょう。
この $5 がメール専用の費用と考えると悩ましいですが、個人開発をしているのなら Cloudflare を使わない選択肢はそもそもありません(強い意見)。 Workers Paid くらいは払いましょう。
まとめ
- Cloudflare の Email Sending が SMTP に対応した
- 受信は従来の Email Routing、送信は Email Sending の SMTP を Gmail に設定することで、Cloudflare だけで独自ドメインの送受信が完結する
- Workers Paid($5/月)が必須だが、月 3,000 通まで込み。すでに Workers Paid の人は実質無料
- 一応まだベータ版です
「DNS は Cloudflare、メールは別サービス」という構成だった人は、これを機に一本化を検討してみてはどうでしょうか。
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