ゲーム事業部設立して、終了したお話
はじめに
会社からゲーム事業部作ってみない?と言われたのがきっかけで事業部を作ってみることになり、その経過と終了までをまとめたものになります。
これから事業を始めていく人や、事業を始めるってどういうことなんだろう?という方に少しでも参考になれば幸いです。
事業計画書
まずは事業として設立するには事業計画書を作成し、社内に向けてプレゼンをすることになる。
自分はソシャゲを作ってきたエンジニアだが、いきなり「数十人集めて大規模なソーシャルゲームを作りたいです!」と言うわけにもいかないのでスモールスタートを目指す形に。
状況を整理してみる
- 自社内にプランナー、デザイナー、サウンド、プロデューサー、ディレクターなどは存在しないので、実質1人で作業をしていく
- 社内で使うグーグルアカウントの作成や、テストの費用出しは会社側で行ってくれるとのことだったのでそこはお任せする事に
- デザイナーが居ないのでAIによる画像生成で補うこととし、プランナープログラマーは自分で頑張る
- 各種画像生成AIサイトで検証してみて、良さそうな所をピックアップした
- ハイパーカジュアルゲームなら最小人数(プランナー/デザイナー/プログラマー)でなんとかなりそうなので、これを作る方針で立てていく
- ハイパーカジュアルゲームのマネタイズやCPIテストについてふんわりとしか知らなかったので勉強したり、実際にハイパーカジュアルゲームをいくつも遊んでみて、計画書の細かい所を埋めていく形に
状況を整理と調査を進めて、結果として以下の内容で計画書を作ってみた。
- 事業費用:自身の人件費と、CPIテストに使う雑費
- 作るもの:2Dハイパーカジュアルゲーム
- 開発人数:1人
- 開発期間:4か月 (ハイパーカジュアルゲームを1か月1つ作ってCPIテストを行うx4サイクル試す)
- サイクル:1か月ゲーム開発期間 → リリース作業 → 動画広告素材などを作ってCPIテスト → だめなら次のゲームへ
- CPIテストを行って基準値を満たした場合、本開発として3ヶ月設けてもらう形に
CPIテストは以下の内容で進める事を決め、計画書に記載。
円安の影響とかもあるため、これが正確であるかは正直不明。
- 利用広告サイト:Meta
- 配信国:US
- OS:Android
- ターゲット:全年齢
- 日予算:$50~
- 期間:4日
- CPI目標:$0.5以下
事業計画書をプレゼンしたら、意外にも好評で事業が設立することに。
(正直中途半端な部分もあった資料だったので、通っちゃった・・・という感想)
技術選定
- Unity (6000.3.5f2)
- 実際に使ったことのある、かつ開発環境としてハイパーカジュアルゲームでもよく採用されているUnityを選択
- バージョンはCPIテストに受かり、長期運用をする可能性があるためLTSバージョンを選択
- GitHub
- 1人で開発するので不要かと思ったが、ログの確認や、データが飛んだらマズイので一応使うように
-
LEONARDO.AI
- 検証時に良い感じに作ってくれてたので採用
-
LUDO.AI
- アニメーションについては、Unityアニメーションで自作できないものに関してはスプライトシートとして出力することに。
- スプライトシートの動作を動画で確認出来たり、コマの増減が簡単に行えたためこちらを採用
- Gemini
- 壁打ち相手として最適
- アプリストアの掲載テキストや、スクリーンショットのデザインを考えてもらってたりと色々と便利
ゲーム制作
1作目 Clean Odyssey (おそうじオデッセイ)
ジャンル:くっつきパズルゲーム
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制作指針
指に落ちているモノがくっつき、真ん中にいるキャラクターに当たらないように上に持っていくゲーム。
キャラクターは様々で、赤ちゃんやドラゴンなど、冒険の旅(オデッセイ)という意味で色々な表現を考えていた。
また、色はハイパーカジュアルゲーム特有のカラフルなデザインではなく、落ち着いた色合いでデザインを試してみた。
プロトタイプではネコのみで作成。
CPIテスト結果
- リンクのクリック数 : 2,616回
- CPC(リンククリックの単価) : 7円
- アプリのインストール数: 135
- CPI(インストール単価) : 137円 (0.88ドル)
結果:目標値(0.5ドル以下)に届かず
所感
- ストアリリース作業や広告の設定を行ったことが無かったので、経験出来たことが良かった
- 広告の国設定を間違えた
- ストアリリースでは米国として出したが、広告の設定では北米全体で指定してしまい、余計な金額を出してしまった
- 以降のゲームでは正しく設定出来るようになったので、結果良かったのかもしれない
2作目 Roll Breaker
ジャンル:育成破壊アクションゲーム
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制作指針
手足が付いた丸いモノを育てていき、制限時間以内に建物など障害物を破壊してゴールを目指す。
手足の動きはUnityアニメーションで自作。
子供の頃に考えるようなビジュアルを目指していたので、あえてチープなデザイン性にして、色合いのみカラフルになるようにした。
CPIテスト結果
- リンクのクリック数 : 1,594回
- CPC(リンククリックの単価) : 7円
- アプリのインストール数: 46
- CPI(インストール単価) : 257円 (1.62ドル)
結果:目標値(0.5ドル以下)に届かず
所感
- Unityアニメーションを使ってスケルタルアニメーションをうまいこと作れた
- Spineも検討したが、すぐに試せるUnityアニメーションで代用した (無料なのもデカい)
- 破壊の表現をどうするかが課題だった
- Unity-2D-Destructionで良い感じに表現が出来た
- Meshが付いたオブジェクトが大量に出来た関係でパフォーマンスがよろしく無かったので生成時の設定を最適化して対応
3作目 PENGUIN BOSS BATTLE
ジャンル:アクションゲーム
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制作指針
ペンギンが奥にいる大きなボスを倒していくゲーム。
魔界村のボス戦部分が面白かったことを思い出し、ボス戦部分だけ作れないかを考えたのがきっかけ。
成長要素があり、3つの選択肢から強化要素を選ぶ(某ゲーム意識)。
グラフィックは様々なパターンで動かしたかったのでSpriteSheetで動かすようにした。
CPIテスト結果
- リンクのクリック数 : 3,387
- CPC(リンククリックの単価) : 9円
- アプリのインストール数: 131
- CPI(インストール単価) : 240円 (1.51ドル)
結果:目標値(0.5ドル以下)に届かず
所感
- 奥行きの表現を付けるため、弾の軌道を山なりにしたり、敵のアニメーションをあえて遅らせて大きさを表現したりと奥の敵に攻撃するという構図を工夫して上手く表現出来た
- 開発期間中、要素が多くなるにつれ、追加したいものがどんどん増えていった
- あくまで広告で見せる部分のみをフォーカスし、タスクの切り捨てなどで乗り切った
4作目 Wave Dig
ジャンル:パズルゲーム
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制作指針
マッチョなモグラが地を這うウェーブ状の弾を拳で繰り出し、クリスタルを破壊するゲーム
パズルゲームがハイパーカジュアルゲームとして親和性が高いのもあったので、解くのに必要な要素が壁走りしたら面白そうと考えたのがきっかけ。
当初は普通のかわいいモグラがピッケルを持って弾を出すのを考えていたが、パッとしなかったのでムキムキにした。
CPIテスト結果
- リンクのクリック数 : 2,929
- CPC(リンククリックの単価) : 11円
- アプリのインストール数: 161
- CPI(インストール単価) : 198円 (1.23ドル)
結果:目標値(0.5ドル以下)に届かず
所感
- 地面を這う衝撃波のエフェクトがアセットストアになかったこと
- コーナーを曲がる時に残像を少し残して這ってる感を出したかったためスプライトシートではなくパーティクルで表現することに
- アセットストアにそのまま使えそうなものがなかった為、被ダメージ時のエフェクトの向きや時間を調整することでそれっぽく表現した
- 地面を這う弾の実装をどうするか悩んだ
- Raycastを付けて、弾の向きによって上下左右を監視し、90度回転するように実装することでうまく動いてくれた。
おわりに
良かったこと
- 事業設立から一気通貫出来たこと
- 事業を作るという普通では体験出来ない事をやらせてくれた事に感謝
- ストアリリースや広告設定など専門的な知見が得られたこと
反省点
- 失敗したこと
- 準備不足な部分が多かった
- 成熟したハイパーカジュアルゲーム市場を熟知出来ずに挑んでしまったため、結果として失敗してしまった
- 自分がハイパーカジュアルゲームの業務を過去にしており、成功のノウハウを理解出来ていれば少なからず結果は変わっていたかもしれない
- 準備不足な部分が多かった
- こうすれば成功率が上がったかも
- ハイパーカジュアルゲームのパブリッシャーと提携する
- CPIテスト、フィードバック、開発のコツを聞けたため
- また、資金提供なども行っている会社がありそうだったので、優先して調べるべきだった
- 当時は自前で開発する事しか考えきれていなかったため、パブリッシャーの存在を後から知った
- プランナーは必要だった
- 自分のゲーミング知識を使えばプランナーも兼用出来るだろうと軽んじていたが、自分が合っていると感じていても、ユーザーから見ると微妙な部分があり、結果としてCPIテストもコケている原因だと思ったので、俯瞰的視点を持てる人が必要だった
- 企画~案出し~改善は全て自分でやっていたが、考案する工数を省いて開発に集中出来ていればサイクルを短くでき、CPIテストをより多く試すことができ、成功率が上がったかもしれない
- ハイパーカジュアルゲームのパブリッシャーと提携する








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