開発もマネジメントも行うEMが見つからないなら、“役職”ではなく“役割”にしてはどうでしょうか?
この記事の概要
この記事はスタートアップにおけるエンジニアリングマネージャー(EM)の人材不足を背景に、EMを固定の役職ではなく期間限定の「ロール(役割)」として扱ってみてはどうかという、私の思いつきをまとめたご提案になります。
EM経験をチーム内で持ち回り制にすることで、マネジメントの裾野を広げ、組織的な知見蓄積や人材育成につなげる狙い。
実行例はないが、柔軟なスタートアップ組織では試す価値がある思いつきとして提示させていただいています。
きっかけ
この一年、個人事業主としての営業活動をする中で、色々なスタートアップのCTOを務める方とお話をする機会がありました。
そんな中、多くCTOから伺った共通の悩み事は
「自分だけでは開発組織を見ることが出来なくなったのでエンジニアリングマネージャーが欲しい。でもなかなか求めている人材が見つからない。」
と言う内容でした。
また 「理想は内部のエンジニアからの昇格だが適任者が少ない。その中で適任と思う人がいても引き受けてくれない。」 ということも共通して伺うお話でした。
エンジニアリングマネージャー(以下、EM)の需要は本当に多く、かく言う私にもよくスカウトメールをいただいております。
私へのスカウトが一番多かったのは0→1を突破し1→10くらいのスタートアップさんで、求めているEM像は 「開発をリードしつつエンジニアメンバーのマネージメントも行ってくれる人」 でした。
そして、多くの場合で 「難しいのは分かっている。だがまだまだPMFに向かっている最中で作らないといけない機能もたくさんある。だからプレイングマネージャーをお願いするしかない」 とお話しくださいました。
この場合、私の場合だとちょっと期待に添えないのでEMとしては辞退させていただいて、アジャイルを組織に取り組もうとされている場合は、そちら方面で協力出来ないかと打診したこともあります。(結果は内緒)
このケースは本当に多くて、ネット上で観測出来る限りでも多数あるのではないかと思います。 そして上手くいっている会社は結局のところプレイングマネージャーを出来るポテンシャルの高いEMさんが見つかったor 内部で誕生した と言う話が多い印象があり、なかなかどこでも出来る話ではなさそうでした
そんなことを定期的に考えていてここ最近ちょっと思いつた事があります。
エンジニアリングマネージャーをポジション(役職)ではなくロール(役割)としてみるはどうだろう
「EMをポジション(役職)からロール(役割)にするのはどうだろうか?」
ふとそんな事を思いついたのがこの記事のきっかけになります。
以下は本当に思いつきをツラツラ書き殴ったものになります。
その前提で読んで頂けると幸いです。m(_ _)m
EMをロールにするとは具体的にはこんなイメージ
簡単に言ってしまうと一定期間で交代するようにしてしまってはどうだろうって事です。
お話を聞いているとテックリードの方がなし崩し的にEMが行うピープルマネージメントを巻き取っているケースが多くあります。
それでも構わないのであれば良いのですが、本来はテクニカルな事に専念した人に取ってはこの中途半端な状態は良くありません。
これを解決するために期間限定で交代制にすれば良いのでは無いでしょうか?
例えば3ヶ月の間、その期間はあるエンジニアさんがEMの業務を兼務しながら開発を行うようにする。3ヶ月という期間であればちょっと苦手でもやれなくはないのかなと個人的には思います。
EMをロールにすると良さそうなこと
机上の空論ですがロールにすることで良さそうと思ったことは以下のとおりです。
- エンジニアのキャリアとしてマネージメントの経験はあった方が良い
- もし将来のCTOを目指すなら経験しおいても損はない
- 人によっては期間限定の役割なら割り切ってできるかもしれない
- やってみると意外に向いていると思うかもしれない
- やってみて向いてないと再認識するのも学び
- EMにならないにしてもマネージャーの視点を持つことでエンジニアとしても視野が広がる
- 定期的に交代するとチームに経験者がいるのでフォローしてもらえるようになる
- ロールにすることで色々な人が担当し、チームで知見が溜まり組織の資産になっていく
エンジニアとしてのキャリアを考える上で、CTOなどを目指すのであればやってみる価値はありますし、そもそも食わず嫌いかもしれなくやってみると案外楽しいかもしれません。やってみると向いているかもしれません。
でもポジションとして引き受けるにはそれなりに覚悟が必要で、最近ではまたエンジニアに戻れるようにしてくれている企業様も多いですが、中々それを言い出すのがハードルが高い印象もあります。
であれば、役割として短い期間に順番に全員が引き受けてしまうのが良いのではと思いました。
EMをロールにすることで課題になりそうなことは?
小規模のスタートアップの場合という前置きがつきますが、これと言って課題になりそうなことは、思いつきませんでした。
もちろん実際に実行してみると出てくるとは思います。
ただこれかあ組織を作っていく段階のスタートアップであれば、柔軟に対応が出来るでしょうし、やってみる価値の方が大きいのかなと思っています。
おわりに
私がこの記事で書いたことは、ふとした思いつきです。
それをダラダラとSNSに書き殴った後に少しだけ整理して記事にしました。
また実際に私がどこかのスタートアップでCTOになって実行したわけでもないですし、今のところその予定もありません。
なので、なんの責任も取れないやつのただの絵空事です。
ですが本気で
「エンジニアとして開発も行って欲しい、他のエンジニアのマネージメントも行って欲しい。」
そんなEMを求めるのであれば、そんな人材が今の組織に必要と考えるのであれば、こうした試みもやってみる価値はあるのではないでしょうか。
そしてこれはあくまで一つの案になります。
これをきっかけに別のアプローチも議論され、それぞれの組織の状況に応じた成功例が生まれ、良いプロダクトが世の中に早く届けられる事につながれば嬉しい限りです。
以上
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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