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はじめてのAI活用ハッカソン体験記:気づきと今後の課題

に公開

はじめに

先日WAKE Careerさん主催の『生成AI×社会課題ハッカソン』に参加してきました。
約80人、30チームが参加!
https://wake-career-socialai-hackathon-2025.studio.site/
本記事では、生成AIと社会課題に向き合う中で得たものや今後挑戦したいこと等をまとめます。

なぜ参加しようと思ったか

Xでハッカソンを知り、興味を持ちました。
ただ、やりたいことがいろいろある中で時間を捻出できるのか不安もあり迷っていました。

ある日、作りたいアプリのアイディアが降ってきて、参加したいワクワクが勝って応募しました。
使用する技術はほぼ初心者の状態。
それでも「AIに触れる機会にしたい!」と思い、決心しました。
女性エンジニアが主体のイベントなので参加しやすく、ハッカソン初参加の人も多かったです。

開発期間

  • 2025年4月29日〜6月6日
  • 累計時間:125h(要件定義、設計、スライド作成等含む)

作成したアプリ

認知行動療法の不安階層表をベースにした
不安がある人の行動をサポートするアプリ
https://github.com/1noseA/stepumo

私自身かつて不安に悩まされた経験があり、小さな一歩から始めて少しずつ前に進んできました。
今挑戦できているのも、その積み重ねがあったからこそです。
このアプリを通して、「小さな一歩の大切さ」を届けられたらと思いました。

機能概要

  • 「やりたいこと」と「不安なこと」を入力すると、AIが10段階のベイビーステップを提案
  • 実施後の不安度や感想を記録し、それに対してAIがコメント
  • 希死念慮や強い不安が検知された場合、受診を促すような表示を行う

技術スタック

  • Flutter
  • Firebase(Firestore、Authentication)
  • Gemini AI(gemini-2.0-flash)

※AIエディタとしてCline/Cursorを使用
これについては以下記事に詳しく書いています。
https://zenn.dev/1nose_a/articles/175234160662c6

社会課題などについて詳しく見たい方はこちら

解決したい社会課題

メンタルヘルスをもっと身近に、誰にでも届くものにする

  • 多くの人が強い不安、悩み、ストレスを抱えている:労働者の82.7%(厚生労働省より)
    →誰でも精神疾患になる可能性

  • 受診することへのハードル
    不安症の推定患者数は約1000万人(WHOより)
    →2/3が病院に行っていない

  • 精神疾患による経済損失は11.2兆円/年
    (医療費等:約4.6兆円、労働損失等:約6.6兆円)

→早期発見・早期介入により、長期化・重症化を防ぎたい

ターゲット

挑戦したいことがあるが不安・緊張・恐怖で一歩踏み出せない 30代女性

  • 診断を受けていないが、不安感が強く行動できない人
  • 精神疾患の回復期にいて、徐々に行動したいと思っている人
  • 真面目さ、完璧主義、自己肯定感の低さにより行動できない人

社会的インパクト

・支援が届きにくい人たちへのサポートや受診のきっかけを提供
・小さな成功体験が社会参加を後押し、QOL・ウェルビーイングの向上につながる
・不安に飲み込まれない力を育み、メンタル不調の悪化や再発を防ぐことに貢献

中間発表を終えて

残念ながら最終5チームには選ばれませんでした。
選ばれた5チームは本当にレベルが高くて納得できる一方で、とても悔しさを感じました。

参加当初は「AIに触れる機会にしたい」「最悪完成しなくてもいいや」と思っていました。
開発しているうちに、実際にユーザーに使ってもらえるようなアプリにしたいと思いましたし、最終に残りたいと思うようになっていました。

反省点

①「社会課題」がありきたりな内容になってしまった

作りたいアプリ案が先にあったので、「解決したい社会課題」が後付けになってしまいました。
途中の進捗報告会で「社会課題の深掘り」と「社会的インパクトをどう示すか」を課題に感じ、結構時間を使ってしまいました。
ChatGPTやGeminiに聞きまくり、初めてDeepResearchも使ってみたり。
メンター制度を使って相談してみたかったのですが、時間の都合がつかず使いませんでした。
AIを使って導き出したものは、世の中でよく言われているようなありきたりな内容になってしまいました。

②「自分にしか語れない背景」をもっと出すべきだった

今回なぜこのアプリを作ろうと思ったのか、自分しか語れないストーリーをもっと出せばよかったと、そこが一番悔しかったです。
生成AIの活用の弱さ、独自性・新規性の弱さは自覚していました。
それでも熱意だけでも伝えたかったです。

③AI活用が弱かった

生成AI自体が初心者ということもあり、「AIが提案する、コメントする」だけでも充分AI活用していると思っていました。
全然知識が浅く、甘かったです。

敗者復活戦に向けた改善

私が救いたい対象ユーザーが目に浮かんで「まだやりたい!」と思いました。
敗者復活戦のお知らせを見て、参加を決めました。

審査員のコメント

  • 既視感あり。生成AIによる差別化ポイントがもう一段欲しい。例えば、ユーザーの履歴や傾向をもとにした継続的な変化のトラッキングや、行動変容に寄り添うAIコーチングなど
  • 「やりたいこと」や「不安なこと」をテキストで入力すること自体がハードルになるユーザーも想定されるため、質問ガイド形式や音声入力などによる補助機能の検討もあるとさらに良くなりそう

やったこと

①他アプリとの比較図を追加し、「不安×行動変容」に特化していることを明確化

②レポート生成機能を追加

  • 審査員コメントでいただいた案もメンタルヘルス系アプリにはよくあるものに思えたため、自分がほしいと思ったレポート生成機能を選定
  • モバイルアプリだからこその機能(カメラで読み取って行動をサポート等)も検討

③インプットの課題

  • 私自身、入力がめんどくさくてメンタルヘルス系アプリを使わないため、入力にはこだわったつもりだった
  • レポート生成機能を入れるとするとインプットが足りない
    → しかたなく入力項目を増やす(実際に記録することはユーザーにとっても大事)
    → 外部APIから情報取得する(天気、気温、気圧、月齢)
  • 私自身が音声入力に抵抗があり使わない。他の人はどうなのだろうか?

④ユーザーアンケート実施

  • 対象ユーザー28名に回答してもらえた
  • こうやってアプリを開発されているんだと感動されコメントをいただいた
  • インプットの抵抗感は私の感覚とだいたい同じだった

結果

睡眠時間を削って、2週間で37時間ほどやったのですが、納得のいくものはできませんでした。
運営の方も真剣に審査されるため、こんな状態で参加するのは失礼だと思い、最終的に辞退しました。

それでも自分の中では「やり切った感」「すがすがしさ」がありました。
中間発表の場で終わっていたらきっと「まだできたはず」みたいなものが残っていたと思います。
もう一度チャンスをくださり、精一杯取り組めたこと、感謝しております。

スライド

ハッカソンの感想

①審査基準と目的

審査基準が今回私のやりたいこととはちょっと違っていたなと後で思いました。
AI活用の新規性・独自性や社会課題を深掘りすることは大事なのですが、審査基準に捉われて自分の原点を失いそうになることが何度もありました。
今後は、挑戦と学びに焦点を置いたものか、実際にマネタイズを目指すものであったらまた参加してみたいと思いました。

②プロダクト開発の楽しさと難しさ

プロダクトについて考えるのは楽しかったです。
元々エンジニアになりたかった理由「自分のアイディアを形にして、困っている人を助けたい」というのを思い出しました。
今回初めてユーザーを意識し、「社会課題」や「生成AI活用」についてもたくさん考えました。
その中で「メンタルヘルスを扱うなら専門家の監修が必要なのでは」「精神疾患の人を対象にするのは危ういのでは」など、迷いや葛藤もたくさんありました。
今回の経験をもとに、また1から考え直したいと思います。

③個人参加か、チーム参加か

今回は、作りたいアプリと使いたい技術があったので個人参加にしました。
チームだと話し合いの場を調整して、仕様を固めるまでに時間がかかっており、GWという貴重な休みの間にあまり開発が進められていない様子でした。
そのため、一人でなんでも決めて進められるフットワークの軽さは良かったと思います。
ただ、一人では知識も時間も足りず、スライド作成や発表も全部自分で行うのは大変でした。
チームなら誰か得意な人が担当するなどもできるのでいいなと思いました。
(もっとAI活用できれば一人でなんでもできてしまうかもしれませんが)
他の人とも交流をしたい思いがあるので、今度はチームで参加もしてみたいです。

今後やってみたいこと

①RAGへの興味

後でプロンプト改善に取り組んでみました。
ChatGPTにも聞いて改善したのですが、結果として出力は変わりませんでした。
そこで行き着いたのがRAGです。
以前から勉強会などで耳にしていたものの、「社内FAQ用チャットボット」くらいの印象でした。
不安特化の知識やユーザーへ対する上での注意点などを書いておけばもっといい出力が出るようになるのではないかと思いました。
DifyがノーコードでRAGのアプリを作れるようなので作ってみたいと思いました。

②また1からアプリ案を考えたい

生成AIを使ったアプリについてまた1から考え直したいです。
今回は「作りたい駆動」だったので、社会課題から考えてみたらどうだろうかと思っています。
何かおもしろいものができないか引き続き考え続けていきたいと思います。

③他の技術でも試してみたい

Next.js、TypeScript、Tailwind CSS、Supabaseを使っている人が多い印象でした。
これらの技術は使ったことないのですが、AIと相性がよかったり、良いUIが作れたりするのかなと思いました。
また、ClaudeCodeを使ってみたら少しは楽できるのかなぁとも思ったり。
今回はClaudeすら使っていない状態だったので、試してみたいと思いました。

さいごに

今まで勉強目的で個人開発をしたことは何度かありましたが、社会課題・ユーザーを意識したプロダクト開発は初めてでした。
プロダクト開発の上で考えるべきこと、大切なことを少し経験できたかなと思います。
AIの知識が浅く、引き続き勉強と活用を考え続けていきたいです。
今回を出発点として、新たなプロダクトを作っていきたいと思います。

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